K.H's Blog ~ライカM3、エキザクタ ヴァレックスとか

ライカM3やエキザクタ ヴァレックスで撮った写真たち。リコーGXRマウントA12+オールドレンズの写真も。たまにつぶやき。らせん階段と古い床屋のサインポールも充実!※写真の無断転載を禁じます。

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読響 スクロヴァチェフスキ指揮 特別演奏会 《究極のブルックナー》 

2016.01.23

1月23日、東京オペラシティコンサートホールでスクロヴァチェフスキ指揮のブルックナー交響曲第8番を聴く。

ブルックナー演奏をいくつか聴いた中でも、楽譜の読み込みとその表出という点では最も感銘を受けた演奏だった。

音は渋く、重心の低い音が続く。
そうした中、楽譜にはこんな音形が書かれているんだ、とか、こんな楽器の組み合わせなんだ、という発見が次々と聞こえる。

それが以前だと、どこか飛び出して聞こえるように、不自然さを感じていた部分もあったのが、
今日のスクロヴァチェフスキの演奏はきわめて当然のように提示され、それでいてさまざまな音形やリズム、強弱によってこの曲が成り立っていることを教えてくれる、そんな演奏だった。

彼は楽譜を解釈するのではなく、読み込んで読み込んで、音にするタイプなのだろう。
クレンペラーも管楽器を大切にするなど、音の明確さには細心の注意を払い、スクロヴァチェフスキと同様の方向性であるように見える。

クレンペラーの場合、強烈な意思が音楽にまで表出され、そこに叙事詩的な啓示が現れる。
しかし、スクロヴァチェフスキの場合、意思はない。ただ究極に音となったものがなるだけである。
これはこれで、92歳の指揮者が到達した一つの世界観だろう。
だから各楽章による性格分けなどはあまり聞こえてこず、一本調子のようにも聞こえる。
1楽章の「音」、2楽章の「音」はそれぞれこうして構成される、ということを示すことで、
各楽章がおのずと「違うもの」として現れる。そんな音楽である。

楽章では2楽章が最もおもしろかった。
こんなにリズムが次々と隠れているのかと、その音符を書いたブルックナーの才能を再認識させられる。
1楽章はおどろおどろしくなく、悲劇的でもなく、太い鉛筆できっちりと輪郭を描き、その中に濃淡を白と黒で塗り分けていく、そんな音楽であった。
3楽章も同様。感動的ではないが、とにかく音の変化に強い印象を受ける。
白黒でこれだけ変化が描けるのか、という感銘である。ここに自然をめでる姿とか、そういった“解釈”はない。
しかし、相当に立派なものだ。

4楽章はかつての鋭角的なスクロヴァチェフスキが最も蘇ったような気がする。
テンポは概して早く、最後もそっけないくらい。
でも、「楽譜読み込みの巨匠」が音に出し切った感はあり、その到達点はやはり立派だ。

最後に。
・楽譜上の最後の音が終わってすぐに「ブラボー」と叫ぶ愚か者は、指揮者の最大の敵である。
・東京オペラシティコンサートホールの設計者は、コンサートホールは1階席で聞くもの、左右のバルコニーなど不要、と思って設計したらしい。
 ヴァイオリンが全く見えない席など、ニ度と購入したくないものだ。

【16.01.25 追記】
この日の読響の演奏について書くのを忘れていた。

この日は弦を中心に素晴らしい演奏。
美しさが感動を呼ぶならば、弦の音色と統一感がこの日の感動の源である。

音色といっても煌びやかな音ではない。澄んでいて、それでいて芯の通った音である。
ざらつきや乱れのない、奏者の統一された意思は素晴らしい。
弦はどのパートも甲乙つけがたいが、チェロのリズムの良さと、ヴァイオリンの音にはことさら感銘を受けた。

管楽器は、トロンボーンの力強さに特に印象を受けた。
暴発せず、それでいて会場を満たす音である。
木管楽器も、弦楽器との受け渡しなどが実に自然で、それがスクロヴァチェフスキの「音になって現れる」雄弁さにつながる。
少々残念だったのはホルンパートか。しかしそれも演奏会の興を削ぐものではない。

読響の力量と指揮者への共感が老指揮者の深い読み込みを一層具現化したと言える名演であった。
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : 読響 スクロヴァチェフスキ 特別演奏会 ブルックナー 8番 東京オペラシティコンサートホール

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K.H(元バッチク)

Author:K.H(元バッチク)
紆余曲折を経て、誰が付けたか名前はバッチク。
ライカM3とエキザクタ ヴァレックスをメーンカメラに、輝いている人々を撮ってます。モノ系では、レトロなサインポール、らせん階段、給水塔、ベランダ、教会、トラス、工場とかとか。
以前のメーン機材はリコーGXR。
たまに文書も書きます。

2012年4月、リニューアル。
2013年2月、らせん階段の写真、90アイテムに!
2013年4月、ライカM3始めました。
2013年11月、元祖35mm一眼レフ、Exakta VarexⅡaを投入!

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